統計学基礎シリーズ
ゼロから積み上げる統計学。代表値・散らばり・分布から始め、確率・推測統計・回帰まで一本道で学べる構成。各回 20〜30 分の読了時間を目安に、数式は出すが「なぜこの式か」を必ず一段掘る。
平均・分散・分布の形
既読 0/4平均値と中央値の使い分け
外れ値の大きさで平均は大きく動きますが、中央値は中央順位の外側にとどまる値の変化には頑健です。所得分布・バイト時給の例で、2 つの代表値がいつ食い違い、どちらを使うべきかを掘ります。
散らばりの測り方
範囲・四分位・分散・標準偏差。「なぜ二乗するのか」を平方完成で証明し、絶対値ではなく二乗を選ぶ構造的な理由を掘ります。
分布の形を見る
平均と標準偏差が同じでも、分布の形が違えばデータの意味は違います。ヒストグラムから密度関数まで、形を見る道具と、形を 1 つの数で要約する歪度・超過尖度を順に学びます。
標準化と z スコア
単位もスケールも違う数字を 1 つの軸に乗せる道具が標準化です。平均を原点に、標準偏差を 1 単位に置き直すと、数字は「平均から何 σ 離れているか」だけで語れます。stats-03 の歪度・尖度が「すでに標準化された量」だったことまで回収します。
確率と期待値
既読 0/4確率の直感
コインを 100 回投げて 57 回表が出たら、このコインは偏っているのでしょうか。素朴な「半分のはず」は確率という言葉の中身を取り違えた直感で、無限回試行の極限(頻度主義)と賭けに応じる比率(主観確率)の 2 つの中身に切り分ける必要があります。両者は Kolmogorov 三公理という共通の土台で計算され、別の問いにそれぞれ答えます。
期待値
サイコロを 1 回振ったときの期待値は 3.5 ですが、3.5 という目はサイコロに存在しません。「期待値」が指すのは 1 回の結果ではなく、無限回繰り返したときの平均値です。stats-01 の度数分布表で度数が果たしていた重みを stats-05 の確率に置き換えた構造、確率変数と実現値の記号区別、独立でなくても成り立つ線形性、二項分布の期待値を 2 行で導く威力までを離散の範囲で整理します。
条件付き確率とベイズの面積
感度 90% の検査で陽性が出ても、本当に病気である確率は約 9.2% にとどまります。条件付き確率とベイズの定理を 1×1 矩形の4セル分割として扱い、事前確率・尤度・事後確率の関係を面積比として読み解きます。ベイズの定理は条件付き確率の定義から直接導かれる初等的命題で、同じ同時確率を異なる条件で割る関係として導出します。独立性は「条件付けても確率が変わらない関係」として定義し、排反性との混同・基準率の無視・確率の更新までを離散の範囲で整理します。
大数法則と中心極限定理
コインを 100 回投げて表がちょうど 50 回でも、それは偶然の一致にすぎません。10,000 回投げれば表の割合は 0.5 のすぐ近くまで安定します。大数の法則 (LLN) は標本平均が母平均に確率収束することを、中心極限定理 (CLT) は標本平均の分布が元の分布によらず正規分布に近づくことを保証します。両者は同じ標本平均についての別方向の主張で、LLN は中心への収束、CLT は分布形の収束です。ばらつきがサンプル数の平方根に反比例して縮む構造が Part 3(標本誤差・信頼区間・検定)の土台になります。LLN には有限期待値、通常の CLT には有限分散が必要です。平均が未定義の Cauchy では両方が崩れ、有限平均・無限分散では LLN は成立しても通常の CLT は崩れます。独立性の崩壊にも別途注意が必要です。
標本誤差・信頼区間・検定
準備中Part 3 の記事は現在執筆中です。
相関と回帰
準備中Part 4 の記事は現在執筆中です。
ベイズ更新
準備中Part 5 の記事は現在執筆中です。
機械学習との関係
準備中Part 6 の記事は現在執筆中です。
補足・実践
Cauchy 分布の期待値が定義できない理由
Cauchy 分布は釣鐘型の見た目を持ちながら、裾が重すぎて期待値を定める積分が絶対収束せず、期待値が定義できません。stats-06 で学んだ期待値の定義が破綻する代表例として、発散の構造と物理応用(ローレンツ分布)を整理します。
期待値の線形性が独立性なしで成り立つ理由
「和の期待値は期待値の和」という線形性は、独立性を仮定しない一般的な等式です。同時確率を周辺確率に集約する操作だけで証明でき、分散の加法性が独立性を要求するのと対照的な構造を持ちます。
サンクトペテルブルクのパラドックス
コインの表が続くかぎり賞金が倍増するゲームでは期待賞金が無限大に発散します。対数効用で測った賞金の確実等価額は4円ですが、支払ってよい参加費は初期資産を含む別の問題です。期待値、期待効用、確実等価額、参加費の違いを整理します。