株安と金・原油・暗号高は経路が分断——PCEと在庫がW35を切る(2026-W35)
先週はドル指数下落と金・WTI・BTC上昇が並走した一方、米日株と半導体ETFは週次マイナス。来週W35の分岐はコアPCE(08-26)、EIA週次石油在庫(08-26)と耐久財・失業保険(08-27)、現物ETF流入継続の可否とJackson Hole公式テーマである。FedWatch%は取得不可のため数値織り込みは置かない。
来週2026-W35(2026-08-24〜08-30)の横断分岐は、一枚岩のリスクオン/オフではなく経路の分断が続くかを見る週だ。先週の確定事実として、ドル指数(DXY)は週次−0.87%なのにS&P 500は−1.43%、半導体ETF(SOXX)は−5.52%だった。同じ週に金は+6.85%(終値4,680.60ドル)、WTIは+5.66%(87.06ドル)、BTCは+20.69%(76,076.30ドル)と上昇し、米現物BTC ETFは17〜21日の各営業日が純流入(合計1,917.8百万USドル、うちIBIT 1,330.8)だった。株から暗号への資金移転フローは未取得のため因果にはせず、符号の食い違い自体が来週の前提になる。
| アセット | 終値(2026-08-21) | 週次% |
|---|---|---|
| S&P 500 | 7,674.37 | −1.43% |
| ナスダック総合 | 26,180.46 | −2.05% |
| 日経平均 | 66,016.36 | −3.93% |
| SOXX | 520.05 | −5.52% |
| WTI | 87.06 | +5.66% |
| 金 | 4,680.60 | +6.85% |
| BTC | 76,076.30 | +20.69% |
| ETH | 2,375.83 | +26.37% |
| DXY | 98.80 | −0.87% |
| 米10年 | 4.7380 | +4.2bp |
米実体は単一の景気シグナルに畳めない。住宅着工は7月年率1,239,000戸(前月比−12.4%)と急減した一方、総合PMIは56.0、鉱工業生産は月次+0.2%、新規失業保険は206,000と低位だった。7月FOMCは目標レンジ3-1/2〜3-3/4%維持が9対3で、反対3票はいずれも25bp引き上げ選好——ただし9月会合のCME FedWatch%は取得不可のため、本文に利上げ確率の数値%は置かない。
xychart-beta
title "先週の週次変化率(%)— 経路の分断"
x-axis ["S&P500", "SOXX", "WTI", "金", "BTC", "DXY"]
y-axis "変化率" -6 --> 22
bar [-1.43, -5.52, 5.66, 6.85, 20.69, -0.87]| 層 | 先週の符号 | 来週の観測軸 |
|---|---|---|
| 株式経路 | 指数・SOXXマイナス | NVDA会社ガイド(株記事) |
| 商品経路 | 金はドルと整合、金利とは不整合。原油は在庫積みと逆行 | EIA商業在庫(08-26) |
| 暗号経路 | IBIT主のETF流入、規模は時価比0.125% | 08-28までの流入継続 |
金の上昇はDXY下落(−0.87%)と符号が揃うが、同一週の米10年+4.2bpとは金利低下因果が成立しない。WTIの+5.66%は商業原油在庫+4.4(稼働率97.2%)と逆符号で、国内需給だけでは説明できない。海峡制約(shut-in 5.5百万b/d、ホルムズ通過4.9対21.6百万b/d)に対しOPEC+9月調整は18.8万b/d(shut-inの3.4%相当)——W35内にOPEC会合はなく、次回は09-06。
flowchart TD
PCE["コアPCE 08-26 21:30 JST<br/>WSJコンセンサス前月比+0.2%"]
PCE --> Pb["ベース: 着工急減とPMI拡大の併存維持"]
PCE --> Pu["上振れ: 前月比+0.4%以上→ドル・金利上昇方向"]
PCE --> Pd["下振れ: 前月比0.0%以下→金利低下が金を正当化しうる"]
EIA["EIA週次石油 08-26<br/>耐久財・失業保険 08-27"]
EIA --> Eb["ベース: 商業在庫が極端でなく海峡仮定が残る"]
EIA --> Eu["上振れ: 商業取り崩し→国内行き過ぎ前提が崩れる"]
EIA --> Ed["下振れ: 積み継続+WTI週次マイナス"]
JH["Jackson Hole 08-27〜29<br/>公式テーマ=支払い・イノベーション"]
JH --> Jb["ベース: 金利ガイダンス期待に過密化しない"]
JH --> Ju["上振れ: ETF流入継続かつBTC 76,076維持"]
JH --> Jd["下振れ: ETF連続流出かつBTC週次マイナス"]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 織り込み | WSJコンセンサス前月比+0.2%(前年比+3.3%は反証参照)。FedWatch%なし |
| ベース | コンセンサス近傍なら金・DXY・株をPCE単独で片側に倒さない |
| 上振れ | コア前月比+0.4%以上→ドル上昇・金利上昇方向。金のドル整合が崩れるかはDXY週次符号とのANDが要る |
| 下振れ | コア前月比0.0%以下→金利低下期待が金を正当化しうる(ただし先週10年は既に+4.2bp) |
| キーレベル | コア前月比+0.4% / 0.0%。金4,680.60 |
国債買い入れと同日のため、発表直後の10年bp・DXY・株の切り分けはできない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 織り込み | EIAコンセンサス数量は投影に無し。失業保険参照206,000 |
| ベース | 商業在庫が+8超でも取り崩しでもない/稼働94%未満でない/申請240,000超でない |
| 上振れ(原油) | 商業取り崩し→「在庫に対する行き過ぎ」前提が崩れ、国内需給根拠が乗る |
| 下振れ | 商業積み継続かつWTI週次マイナス。申請240,000超かつ耐久財−1.0%以下は住宅・PMI併存ストーリーの棄却 |
| キーレベル | 商業+8、稼働94%、WTI週次符号、STEO Q3約85/Q4 78、失業保険240,000 |
WTI終値87.06はSTEO Q3約85・Q4 78のパスより上にあり、在庫積み(+4.4)との逆符号は「行き過ぎ」の候補として残る。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 織り込み | 公式テーマは支払い・金融イノベーション。SEC Regulation Crypto Assetsのコメント期限はOct. 20(W35の価格イベントではない) |
| ベース | 公式テーマどおり。暗号の継続変数はETF連続流入の可否 |
| 上振れ | ETF流入継続かつBTCが76,076.30を維持。ETHフローがBTCを上回らない(ドミナンス55%以上) |
| 下振れ | 08-28までのBTC/ETH ETF連続流出かつBTC週次マイナス。または純流出2日以上かつ累計−500百万USドル超でS&Pが週次プラスなら経路分離を棄却 |
| キーレベル | ETF−500百万USドル、3日連続流出、BTC 76,076.30、ドミナンス55%、IBIT 1,330.8 |
ETF合計1,917.8百万USドルを時価1.54兆USドルで割ると約0.125%——週次変化率を機械的に説明できない。IBITがBTC合計の主経路である点は継続条件だ。
商業原油+4.4、SPR−5.3(導出ネット−0.9)、Cushing−1.3。稼働率97.2%は需要崩壊と両立しない。価格継続の条件は海峡制約仮定の維持であり、9月OPEC+調整(18.8万b/d)では規模が足りない。バブ・エル・マンデブ通過は8.1へ増加しており、単純な「海峡閉鎖」型の過去類似とは異なる。
BTCドミナンス57.65%。ETH ETF 692.6百万USドルはBTC合計の約36%で、価格でETHが先行してもフロー規模は従。ステーブルコイン時価総額3040億USドルは規制経路の規模感だが、週次+の暗号リターンを規制期待の因果にはしない。22日以降の日次ETFは週末未掲載。
株(weekly-2026-W35-equity):来週の主役はNVDA(08-27)の会社売上見通し910億USドル±2%と終値214.72ドルの分岐。SOXXの相対安がS&P 500から切り離されている点は先週の出発点。
為替(weekly-2026-W35-fx):ドル指数−0.87%に対しドル円−0.30%とユーロドル+1.24%——円全面のドル売りではない。介入月次公表(08-28 19:00 JST)の有無は円経路の条件分岐。
| 強気側 | 弱気側 | 読み |
|---|---|---|
| 金・WTI・BTC/ETH・ETF流入 | 米株指数・SOXX | 経路差。暗号を株の先行指標にしない |
| WTI+5.66% | 商業在庫+4.4、STEO Q4 78 | 海峡仮定次第 |
| 金+6.85% | 10年+4.2bp | ドル整合は残る、金利因果は壊れている |
| 総合PMI 56.0 | 着工−12.4% | PCE1本で片側に倒せない |
| 主張 | 観測指標 | 閾値 | 期日 |
|---|---|---|---|
| 経路分断が続く | BTC/ETH ETF・金・BTC週次 | 連続流出かつBTC週次マイナスかつ金週次マイナス | 2026-08-28 NY |
| 原油の行き過ぎ | EIA商業在庫・WTI週次 | 積み継続かつWTI週次マイナス | 2026-08-26 |
| 金のドル整合 | コアPCE・DXY・金週次 | 前月比+0.4%以上かつDXY週次プラスかつ金週次マイナス | 2026-08-26〜28 |
| ETF主経路 | IBIT vs ETH ETF合計 | ETH 5日合計がBTC超かつドミナンス55%未満 | 2026-08-28 |
| 実体の併存 | 耐久財・失業保険 | 耐久財−1.0%以下かつ申請240,000超 | 2026-08-27 |